This Christmas 2020
クリスマスが好き、というよりもクリスマスソングが大好きで毎年この時期はプレイリスト「X」に登録してあるR&B系クリスマスソングをヘビロテして気分を盛り上げるんだけど、今年はコロナ禍の影響で行政から「クリスマス中止のお知らせ」が出て。街へ遊びに行ったり人に会ったりするのも控え、もう12月も折り返しだというのに全くクリスマスシーズンという気分になれず、今年は独り家でクリスマスソングを聴くのも虚しく感じる。
今年は都内の繁華街や街道などにおけるイルミネーションの設置規模が縮小。しかも、人が集まらないよう毎晩20~23時位でライトアップを消灯する地域もあり、寒空の下イルミネーションで心が温かくなるどころか夜中は寒くて暗くてションボリ。さっさとスティホームしろってことなんだろうけど、去年の今ごろはあちこちの街や通りも夜じゅうキレイなイルミネーションが煌びやかでワクワクするクリスマスシーズンを満喫してたような。
拙者の生活圏での話。日本橋~室町界隈は基本的にビジネスビル街で夜は人通りが少ないけど、例年の冬場は夜通し街道イルミネーションが輝いていた。それが今年はTOHOシネマズ日本橋で映画のレイトショーを観に行ったあとなど深夜に帰るころにはライトアップも消灯しており、この時期に街道がライトアップされてないのはなんだか違和感がある。
拙宅の近所である浅草界隈、特に浅草寺近辺では舶来のクリスマスなんぞ異教徒の行事なので奉られることなく、毎年12月の時点で仲見世通りなどに正月飾りが掲げられ、六区のROX周辺やオレンジ通りのイルミネーション以外ほとんどクリスマスムードを感じない。
毎年ガッツリとクリスマスパーティを楽しんでるわけでもないけど、今年はそういった風潮なので特にクリスマス感が薄い。せめてR&Bアーティストのクリスマスアルバムやクリスマス新曲を毎年楽しみにしてるけど、去年12月にH.E.R.のクリスマス新曲「Christmas Time Is Here」が告知され喜んだのも束の間、Amazon.com配信オンリーなのはともかく日本圏への配信はされず、一年経った現在も日本のアマゾンでは購入できない様子。今どきCDアルバムも出たり出なかったりで、マイナーな洋楽のDL販売は日本で配信されないこともあるので輸入盤CDよりも余計に不便。そもそも今の日本じゃ洋楽の情報に疎くて困る。我々が若いころの80年代は洋楽ブームで90年代もダンスミュージックブームだった。
今年も何かクリスマス新曲ないかなと探していたらピンク・スウェッツ(Pink Sweat$)というアーティストが有名なクリスマス曲「This Christmas」をカバーして話題になっているらしい。この曲は元々R&B歌手のダニー・ハサウェイが1970年に発表したオリジナル曲で、ピンク・スウェッツによるカバー版ではダニー・ハサウェイの歌声とデュエットしている点が話題に。そもそも、この曲はこれまでに幾度となくカバーされており、拙者が若いころに初めて聴いた「This Christmas」はダイアナ・ロスやアレクサンダー・オニール、フレディ・ジャクソンなどによるカバー版だったりしたので、つい最近までオリジナルが誰なのかよく知らなかった。そもそもダニー・ハサウェイのアルバム盤にこの曲は収録されていないし、正味の話「Friday After Next」のサントラを聴くまで知らんかった。
Pink Sweat$ & Donny Hathaway - This Christmas (Official Audio)
前から気になっていたのでこの機会に「This Christmas」がどれだけカバー
されてるのかざっとググってまとめてみた(※多分不完全)
【Donny Hathaway(1970年)】
- Diana Ross(1974年)*
- The Whispers (1979年)*
- Gladys Knight&The Pips (1980年)*
- Alexander O'Neal(1988年)*
- Patti LaBelle (1990年)*
-
Gloria Estefan (1993年) - Freddie Jackson (1994年)*
- CHICAGO (1998年)
- Destiny's Child (2001年)
- Ashanti (2003年)*
- Chris Brown (2007年)*
- Joe (2007年)*
- Aretha Franklin (2008年)*
- CeeLo Green (2012年)*
- John Travolta & Olivia Newton-John Feat. Chick Corea (2012年)
- Mary J.Bridge (2013年)*
- Pentatonix (2014年)
- Maysa feat. Will Downing (2014年)*
- Dave Koz Feat. Eric Benet (2014年)*
- The Braxtons (2015年)
- Seal (2015年)
- Christina Aguilera (2015年)
- Fantasia (2017年)*
- Lalah Hathaway (2017年)
- John Legend (2018年)*
- Citizen Queen (2018年)
-
Hunter Hayes (2018年) - Ne-Yo (2019年)
- Lawrence (2019年)
-
Shade Jenifer (2019年) - Alexander Oscar (2020年)
-
Sofia Wylie (2020年) -
Skylar Stecker (2020年) -
Jonita Gandhi Feat.David Joseph & Alok Merwin - Love Renaissance & Eli Derby (2020年)
- Tori Kelly (2020年)
- Pink Sweat$ & Donny Hathaway (2020年)
-
Maddie & Tae (2020年) -
Stevie Wonder (ライブのみ?) - Jamie Foxx (ライブのみ?)
あと、Jagged EdgeやDamar Jackson
Donny Hathaway - This Christmas (Official Music Video)
このあと滅茶苦茶This Chrismas聴いた。
元々「This Chrismasカバー頂上決戦!」として聴き比べレビュー記事にしようと思って書き始めたけど、調べたらあまりにもカバー数が多く、音源ソースも聴く時間も足りないので、とりあえず今回はリストアップだけ。個人的にも好きな曲だし、ずっと気になっていたので今後もカバーについて調べてゆきたい所存です。
来年はウエストポーチが流行の兆し『ワンダーウーマン1984』
TOHOシネマズ日本橋のレイトで『ワンダーウーマン1984』を観てきたでござる。今どきのハイエンド映画なので空いたころにIMAXで観ようと思ったけど、今年は洋画不足で新作に飢えていたので初日に近場のTCX/ATMOS上映で妥協。コロナ過で何度も公開延び延び延期になってたけど日本など一部の国で今週から先行公開され、本国アメリカ的にも世界的にも期待の大作だろうからアメリカでは12月25日に劇場公開されるらしいでござるよ。
前作『ワンダーウーマン』のプロットほとんど忘れちゃってたけど、この続編でダイアナさんの愛しい人スティ-ブが生き返るのは事前に把握。昔のワンダーウーマンTVシリーズって70年代だったし、今回なんで1984年が舞台なのか?何か由来があるのか気になってググったら、監督の青春時代である80年代はエキサイティングで華々しかった半面、世界的にはイラン・イラク戦争やブラックマンデーなどで酷い面もあり、歴史上において最高で最低な時期だった1984年にワンダーウーマンを登場させたかったらしい。まるでアダム・ゴールドバーグみたいね。今見たらとってもダサく感じる80年代文化の様子が再現されていて我々リアルタイム世代の年寄りは懐かしさに心打たれることでござろう。80年当時の拙者はゲーセン小僧だったので「1984年のTIME OUTゲーセンに1987年発売のゲームマシン『オペレーションウルフ』が映り込んでるのはおかしい」と、脳内で早速ダメ出し。今となってはブラウン管テレビとかスーパーカー(死語)とか80年代当時モノ機械の動態保存は大変だと思うけど、大作映画なのに時代検証ミスったでござるな。近年に似たような80年代再現映画を観た気がしたなと思い出したら1989年が舞台の『アトミックブロンド』でござるな。あと1995年が舞台の『キャプテン・マーベル』とか。今回はそれいけ! ゴールドバーグ家的な展開ではなかったものの最新の映像技術で80年代や70年代など当時の様子を再現する映画は現代の若い世代にとって新鮮だろうし、拙者も嫌いじゃないでござる。
拙者的に今作の見どころはウエストポーチ一択に尽きるでござる。1980年生まれの俳優クリス・パインくんがおじさん世代になった今、作中で前作の1917年から未来にあたる1984年に呼び出されウエストポーチを気に入って愛用する姿に拙者シビレたでござる。この映画が全米で公開され次第、80年代を知らない若い世代にバズり、世界的にウエストポーチが流行りそうな予感がするでござるよ。なにしろ、大正時代(1917年)の人が昭和時代(1984年)にタイムスリップして見るものすべてが真新しい未来社会に驚いている様を、令和時代(2020年)の現代を生きる我々が知った顔して当時(1984年)を懐かしんで観る、というような不思議な感覚が愉快でござった。あと、拙者はクリス・パインくんがわりとお気に入りの俳優さんなので、今作はスティ-ブとの再会の喜びと悲しみがあってとっても切なかったでござる。ところでスタートレック新作まだですか?(そもそも映画出るの久々な気が)
さすが今どきのハイエンド映画だけあってアクションシーンや美麗な風景など映像的な見どころ満載で、IMAXやTCXなど大スクリーン環境で楽しむための作品に仕上がっていたでござる。拙者はサウンド面にもこだわるのでアクションシーンのATMOS音響サラウドン感も良かったけど、エンドロール見たらドルビーマークにVISIONともATMOSとも付いてなかったのでフォーマットは不明。サントラ的に80年代ヒット曲バリバリ演出かと思ってたけど実際そうでもなかったでござる。例によって、難しいこと考えずに気楽に楽しめるポップコーンムービーではあるので、わりと万人向けな作品でござろう。あと、エンドロールの途中にもおまけ映像あるので、本編終わったからってすぐに帰らないほうがいいでござるよ(レイトで終電時間を気にしてかエンドロールでぞろぞろ帰っていた)。おわり
天才実業家というよりもわらしべ長者的な頓智の利く悪者マックス・ロード役はドナルド・トランプ大先生でも良かったと思う説。中村さん家のマックロードは松下電器のビデオデッキだけど、マックスロードっていう中古ゲーム店がその昔秋葉原にあったでござるなあ(ホントにどうでもいい昔話)。
ガル・ガドッ度 :☆☆☆☆★
久々のクリス・パイン度:☆☆☆☆★
80年代懐古度 :☆☆☆★★
地味なおばちゃん豹変度:☆☆☆☆★
レーガン大統領?度 :☆☆★★★
ウエストポーチ度 :☆☆☆☆☆
ギャラクシーレコー度 :☆★☆★☆
浅草くいだおれ日記③【新カステラ 浅草店】
浅草六区にあるドン・キホーテ浅草店の脇にあった「カレーは飲み物。浅草店」がコロナ過の影響かいつの間にかひっそりと閉店し、その跡地に入った新しいお店「新カステラ 浅草店」が本日オープン。どうやら、すでに本店が高円寺に2017年オープンしており、行列のできるほど人気のお店だとか。拙者も甘味が好きなので早速行ってきたでござるよ。
お店の外には木々や猫ちゃんキャラクターのイラスト看板が設置され、映えスポット的なかわいい雰囲気を演出。基本的にお持ち帰り専門店で店内には飲食スペースはないもののお店の外には備え付けのベンチがあるので、買ってすぐに食べられるみたい。あと、週末に開かれる六区ブロードウェイ商店街オープンカフェでも食べていいと思うでござる。
そもそも「新カステラ」とは、台湾の淡水地域の名物である大型カステラを日本向けに独自研究・改良し、イーストやソーダなどの化学添加物を使用することなく独自製法でしっとり・ふっくら・もっちりした焼き上げを実現。また、熟成されたホイップ生クリームも新カステラのオリジナルだそうでござる。
基本メニューは「プレーンカステラ」と「生クリーム入りプレーンカステラ」で、2~3人向けのフルサイズ、1~2人向けのハーフサイズ、ひと口サイズにカットされ食べ歩き向けのカップ入りといった3タイプをそれぞれに用意。毎月変わる月限定フレーバーのカステラやトッピング用の生クリーム単体も販売しており、この12月の月限定カステラは「いちごカステラ」で、ほかにもスイーツライター「はなとも」氏とのコラボによるオープン記念コラボメニュー「ブリュレカステラ」が12月18日~20日の三日間限定で販売!
とりあえず拙者は今回いちごカステラのハーフサイズを食してみたでござる。ホントにしっとりとしながらも驚くほどふわふわな食感で、甘さを抑えた優しい味でペロリとイケたでござる。ちなみにいちごカステラの生クリームもちゃんといちごの生クリーム。大人向けの甘さで、なかなかの美味でござった。
お店の外にいる謎のネコちゃんキャラクターも気になるけど、カステラの容器に貼ってあるネコちゃんシールをきれいに剥がせば好きなものに貼って楽しめるでござる。いかにも台湾テイストなキャラデザだけど、かわいいもの好きにとってちょっと嬉しいかも。近年の浅草界隈には、タピオカドリンクやケバブなど舶来から来た食の新風がいろいろ舞い込んでいるけど、ブームが去ったら消え去る感も否めない。今回の新カステラも浅草オリジナルでないのが残念だけど、高円寺での実績もあってなかなか期待できる新店。とりあえず、価格帯もお手頃なので今度またリピートするでござる。女性向けだし、週末には混みそうだけどー。おわり
【お店情報】
新カステラ 浅草店
営業時間:11時~20時 定休日なし
浅草を斬る。その⑦【歳の市ほか】
今日(12月17日)から三日間、一年を締めくくる観音様の縁日「納めの観音」である「歳の市(羽子板市)」が浅草寺境内で開催。今年はコロナ禍の影響で例年の2/3規模に縮小してでの開催だそうで、中にはアマビエをモチーフにした羽子板やダルマなんかもありました。
六区界隈では、ドン・キホーテ浅草店脇に今月中旬18日オープン予定の台湾カステラ屋さんの開店準備が着々と進んでいました。引きの写真では分かりづらいですが、お店の周りにネコのキャラクターのイラスト看板などが設置されていて、なかなか可愛い雰囲気の装飾で女性受けしそうなお店ですね。お店の名前は「新カステラ」というのでしょうか? 告知看板には「新カステラ 日本初 台湾カステラ SINCE2017 12月18日OPEN」と書いてあり、別の看板には「世界初デザインカステラ」ともあって、ちょっと気になりますね。
ドムドムバーガー浅草花やしき店の店頭には、2021年1月1日販売の福袋の告知が張られていました。3千円分のお食事割引券のほか、DOMDOMロゴ/どむぞうくんマーク入りのマグカップ、蒸れないオリジナルマスク、オリジナルタオルハンカチ、それとドムドム×BEAMSコラボアパレルが当たるかもしれない開運くじが入って税込み3千円らしいです。お得だけど、お食事割引券(3月末までの使用期限付き)というのがちょっと引っ掛かります。むしろドムドムグッズ単体で販売して欲しいです。ていうか、元日にお店開けるんですね。
あと、サンリオGiftGate浅草店では、この時期恒例のバーゲンセールを2階で開催していました。浅草店限定商品である雷門Tシャツ(白・黒)や雷門トートバッグ(ダニエル・ばつ丸)、キテイちゃんさんのぬいぐるみ(L・M・Sサイズ)、キテイちゃんさんのマスコットが太っ腹の50パーセントOFFで、ほかにも主要キャラのキャラクターファンやボストンバッグ風チャームなんかもありました。
浅草の夜は今日も人が少ない感じでした。いつも通り常連客で賑わう居酒屋がある一方、ピーク時でも空いててガラガラのお店もよく見かけます。浅草界隈の飲食店も年末年始に向けて書き入れ時のはずが、よく見たら早い時間のテイクアウト利用のほうが多い感じもしました。外食産業における食材需要が下がった恩恵で、スーパーでは白菜やキャベツ、肉類などが例年より安くなっています。浅草ROX地下の西友で白菜1/4カット68円だったので拙宅も今夜は鍋物です(どうでもいい情報)。おわり
ニヤニヤしながらアイスキューブを愛でる映画『ネクスト・ドリーム』
【劇場映画『ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢』雑感】
観ようかどうしようか迷ったけど、トレーラー映像を観たらアイスキューブ兄さんがチラッと出てたのでそれだけで『ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢』(原題:The High Note)を観てきたでござる。ラッパーとしてのアイスキューブはN.W.A.時代から聴き存じてるでござるが、『ボーイズン・ザ・フッド』以降むしろ俳優としてのアイスキューブのほうが好きでござる。そういえば映画出演は2017年の教師コメディ映画『FIST FIGHT』以来でござるね(日本未公開なうえビデオスルーもされないので北米版BDで観た)。
例によって直球すぎる邦題タイトルがダサすぎて、「どうせ歌物のサクセスストーリーでツマんないだろうな。とりあえず保険でアイスキューブ出てるからイイヤ」ぐらいの軽い気持ちで観に行ったら、ベテランの悩みを若者が解くという案の定わりと単調なプロットだったけど、主人公の白人女子が往年の全米ヒットチャート曲にやたら詳しい音楽オタクで、特にアレサ・フランクリンなどR&B系の楽曲が好きらしく、なぜか憧れのベテラン黒人女性歌手の付き人をしているという不思議な設定がなかなか興味深かく、付き人のお仕事としてショウビズ業界の裏側を皮肉って見せるような演出もそこそこ面白かった。
ベテラン歌姫「グレース・デイヴィス」は架空の人物だけど、演じるトレイシー・エリス・ロスはあのソウルミュージック界の大御所ダイアナ・ロスの実娘で、ご本人は歌手ではなく俳優が本業。それにしてもトレイシーさん、これまで日本ではあまり知られていないのでは?と思ってググったら、本国アメリカではコメディ系テレビドラマの出演やテレビショーの司会がほとんどで、映画の出演は今作で10作目と少なく、今回のグレース・デイヴィス役で初めて歌唱にも挑戦したらしい。偉大な母親ダイアナ・ロス的なベテラン歌姫の役を、歌手でもないトレイシーさんが演じること自体コメディだという点が今作の見どころ。むしろダイアナ・ロス本人役ではなく実在しない歌姫の役を演じるフィクション作品だからこそ実現できた、トレイシーさんにとって女優人生のいたずら的な映画かと。
主人公「マギー」役の白人女優ダコタ・ジョンソンも拙者的にあまり馴染みないのでググったら、なんと俳優ドン・ジョンソンと女優メラニー・グリフィスとのお子さんだそうで、義父として俳優アントニオ・バンデラスにも繋がるとか。親七光スゴイじゃないの。なるほど、それでお母様チョイ役出演していたのでござるね。あと、エンドロール見てから気づいたけど、マギーのお父さん役の俳優ってビル・プルマンだったのね。その昔『スペースボール』でローンスター役だった人でござるよ(古い)。
在り来たり気味なストーリー展開はともかく、全体的にR&Bを主体とした音楽演出と、アイスキューブの出番がわりと多くて相変わらずいい味出していたのと、『WAVES』でタイラー役を演じた黒人俳優ケルヴィン・ハリソン・Jrが若手R&Bシンガー「デビッド・クリフ」役として出ていたので、全体的にわりとブラックムービー寄りで拙者的に大満足。観に行った日はちょっと嫌なことがあって気分を害していたけど、そんなことを忘れさせてくれたほど愉快で後味も快い映画だったでござるよ。セリフ中に、サム・クックやカーディB、アリアナ・グランデなど実在の著名アーティスト名(※him/her self 出演はない)がちょくちょく出てくるし、洋楽が好きで特にR&B系のブラックミュージックが好きなら音楽的な演出や細かい点まで存分に愉しめて、基本的にコメディ映画なので軽い気持ちで笑いながら観るのが吉。拙者はキャピトルレコードのビルが出るたびに笑ってしまったでござる。あと、この映画もコロナ過の影響で本国アメリカでは劇場未公開のネット配信リリースになったらしい。今年はそういうのだけ日本の劇場に降りてくるのでござるな。おわり
ちなみに拙者はAL B.SURE!カバー版の「Hotel California」のが好きでござる。
【おまけ】
このMVにトレイシーさんが出てる時点で高等なギャグだったことに今さら気づいたでござるよ。
浅草六区で女剣劇全盛時代を築いた浅香光代さん死去
なんてこったい、訃報続きでござる。今度は「浅香光代さん すい臓がんで死去 92歳」の報。浅草六区の芸能文化史を語るうえで重要な人物の御一人だっただけに残念無念。浅香師匠は戦後間もなくして舞台劇団「浅香光代一座」の座長としてチラリズム女剣劇(※当時十代)で人気を博し、現在の浅草ROX本館辺りに1983年まであった浅草松竹演芸場で主に舞台活動を行い、1950年代に女剣劇四巨星の一人として女剣劇全盛時代を築いた。1979年には裏浅草に「演劇舞踊浅香流」事務所兼稽古場を構え、現在は剣劇俳優のお弟子さんが二代目家元として浅香流を襲名して「新星浅香流」を結成し、日本の殺陣・舞踊芸術を後世に伝えるため演劇舞踊教室を開かれているのでござる。また、浅香師匠は小林旭さんとともに俳優養成所「日本時代劇研究所」の名誉顧問でもあった。ご冥福をお祈りします。
『フライデー』ディーボ役でおなじみの黒人俳優タイニー・リスター・Jr.死去
またしても訃報でござる。日本のニュースでやらないからアメリカ現地時間で12月11日の報だったらしいのだが、黒人俳優のタイニー・リスター・Jr.(Tommy "Tiny" Lister Jr.)さんが12月10日に亡くなられたらしい。リスターさんは今年の初めに新型コロナに掛かったものの克服し、そしてこの12月にも呼吸困難など再び新型コロナに似た症状が出て衰弱のため仕事(映画の撮影)をキャンセルし、12月9日の時点で連絡が取れず翌10日にカリフルニア州警察が調査したところ自宅で亡くなられていたらしい。さらに2型糖尿病も患ってらっしゃったそうで、詳しい死因は現在調査中とのこと。
我々ブラックムービー(黒人映画)ファンにとってリスターさんといえば、アイスキューブ(ICE CUBE)主演のコメディ映画『フライデー』(1995年)でのイジメっ子「ディーボ」がハマり役だったというイメージが強い。ネットでザッと情報を拾ったところ、一般的な日本人の映画ファンにとっては『ダークナイト』(2008年)の囚人役や『フィフスエレメント』(1997年)のリンドバーグ大統領役、それにアニメ映画『ズートピア』(2016年)のフィニック役の声優で名が知られていたらしい。拙者がリスターさんを初めて意識した映画は『黒豹のバラード(原題:POSSE)』(1993年)のオボボ役と『スーパーヒーロー メテオマン(原題:The Meteor Man)』(1993年/ビデオスルー)でのゴールデンロウズの怪力男役が印象的だった。『黒豹のバラード』のオボボは作中で主要メンバーの一人ながら気弱な大男で、『メテオマン』の怪力男は悪のギャング団の暴力担当という二極なキャラクターの演じ分けが印象に残り俳優さんとしての名前を意識し、それ以前にも『ビバリーヒルズコップ2』(1987年)や『トレスパス』(1992年)などでも見たことある俳優さんだったが、そのころはまだあまり意識してなかった。
拙者は90年代にブラックムービーにハマり、ここ数年は仕事が多忙気味で趣味の時間を控えていたけど、このコロナ過で時間に余裕ができ、この機会にDVDなどでブラックムービーを70年代辺りから順番に観直してブログかHPに記録していこうと思ったものの、現在は劇場公開作品が洋画不足なのもあって何故か日本の時代劇にハマるという体たらく。それはさておき、リスターさんのハマり役ディーボが出る『フライデー』と続編『NEXT FRIDAY』(2000年/日本未公開)についての詳細はそのうち作品自体をブログで紹介することにして、そもそも『フライデー』シリーズという映画は、とある黒人青年の何気なくもおかしな一日を描いた黒人ならではの日常コメディ。いわゆるディーボは大人のジャイアン的なイジメっこポジションで、暴力を振るって近所の奴らから金品を奪う嫌われ者ながら、作品シリーズ的にはアイコン的な愛されキャラ。みんなに憎まれる厄介者だから主人公に倒されるのでカリスマ的なボスキャラとも。日本では、第一作目の『フライデー』が劇場公開され公開後にVHS/LDも発売したものの近年は日本版DVD/BDは出ておらず、以降の第二作目『NEXT FRIDAY』と第三作目『FRIDAY AFTER NEXT』(2002年)に至っては劇場公開もビデオスルーもされていないので、日本のヒップホップ/ブラックムービーファンにとってはカルトムービー扱いとなっているのが残念でござる。
また、リスターさんは1989年から1996年までの間、「ゼウス」というリングネームでWWF/WCW所属のプロレスラーとしても活躍していた。大学時代は砲丸投げの全米チャンピオンになったほどで卒業後はNFLのニューオリンズブレイカーズ(80年代当時)にテスト入団するも夢破れ俳優の道を選んだらしい。そして、1989年に公開されたハルク・ホーガン主演のプロレス映画『ゴールデンボンバー』出演を機にWWF入りしたらしいでござる。
いわゆる大柄な怪力男役が多かったリスターさんは多くの映画やテレビに出演する黒人俳優の名バイプレイヤー。個人的にマイケル・クラーク・ダンカン(2012死去)さんと混同した時期もあったけど、また拙者の好きな俳優さんが亡くなられて残念無念。本国サイトで出演作品リストを観るとに日本未公開作品が多いこと多いこと。とりあえず今日は以前LDからダビングした日本語字幕版『フライデー』を観て故人を偲ぶことにするでござるよ。R.I.P. Tommy 'Tiny' Lister Jr.
Ice Cube - You Can Do It (Official Video)