浅草を斬る。その8.5【エンコの大晦日】
やぁ、今年はアッという間の為五郎一年だったでござるねぇ。拙者は元々別の区に住んでいたけど、エンコ(浅草公園六区の隠語)が好きで数年前から台東区民になったものの、引っ越してきた当時はエンコから映画館が消え、個人的にも仕事が忙しくて日中エンコで遊ぶこともできず、さらに年々インバウンドが増加して浅草界隈は観光客が多すぎて、地元民ながらあまり浅草を堪能することができずに居たのでござるが、今年はコロナ禍の影響で幸か不幸か時間に余裕ができたのと、浅草界隈からインバウンドが消えたので、この機会にコレ幸いと浅草界隈を堪能することができている(現在進行形)のでござるよ。
浅草に限ったことではないけど、今年はコロナ禍の影響で閉店するお店が多かった。エンコ界隈でも5月に緊急事態宣言が出た時点でゴールデンウィーク期間を乗り切れず、ひっそりと閉店した飲食店が多かった。緊急事態宣言が解除されたあとから今もずっと「準備中」のままになっているお店も少なくはない。グーグルマップで探し当てた浅草の飲食店が、掲載情報では営業中になっているものの実際には閉店していたお店もチラホラあったので幾らか閉店情報を提供しておいたでござる。
インバウンドが激減したとはいえ、浅草駅のEKIMISEや雷門~仲見世~浅草寺のある東側はまだ国内観光客でなんとか潤っている感はあるものの、新仲見世通り商店街や六区界隈など東側で地元民向けのお店のほうがヤバめな感じはするでござる。コロナ禍と関係なくROX本館及びROX3Gの1階テナント店舗が早々に潰れたり、今年11月に閉館したまるごとにっぽんなんかもそうだけど、観光客どころか地元民の需要さえ空ぶっていた上にパンデミック騒動でこの先の安定も見えていない。コロナ禍で裏通りの飲食店街の小さなお店がどんどん消えて行き、六区にある刀剣や鎧などの古美術品店もインバウンド激減により現在は古着屋になっていたりして、一時的に業態を変えてでも急場を凌ぐしかないのかもしれない。
コロナ禍による暗い話ばかりでもなく、閉店したらしたで跡地に新しいお店も早々に開店。新仲見世通りとオレンジ通りとの交差点角に広島の老舗豆菓子店「豆徳 浅草店」とタピオカドリンク店の「萬波 浅草店」、新仲見世通りに生活雑貨店「エム&ルポ」がいずれも今月下旬にオープンしていたでござる。
あと、ホッピー通りと伝法院通りの交差点でしばらく改装工事中だった物件に「酒場 山加商店」と外装看板が付いていた。それと、伝法院通りに若者向けの和小物グッズ店「MEGA STORE 浅草店」が10月にオープンしていたでござる(今日知った)。コロナ禍だろうが都内有数の観光地なのでオープンする新店は続々とオープンする。本来ならば、東京オリンピックが終わってあちこちの観光地もインバウンドで賑わっていたことでござろう。むしろ大変でしょうが頑張ってください。
雷門通りにあった「らあめん花月嵐 浅草雷門店」跡地には「横浜家系ラーメン 浅草商店」の看板が設置。おそらく「横浜家系ラーメン 上野商店」のように「XX商店」部分に「四谷商店」とか「町田商店」とか系列店の地名を入れるパターンのラーメン屋で1月オープンらしいけど日にちは不明。ところでラーメン屋のあとにラーメン屋って大丈夫でござるか? あと、1月初旬に「塩生姜らー麺専門店MANNISH 浅草店」がオープン予定とネット情報。
なにしろ今年の浅草界隈は例の鬼滅の刃人気に救われた感も少なからずある。仲見世通りや新仲見世通り、ひさご通りなどの商店街では緑と黒の市松模様の半纏やマスク、浅草コラボ鬼滅グッズなどがよく売れていたり、西参道商店街ののぼり群が作中の世界観にマッチしているらしく和装コスプレした若い観光客の撮影スポットになるなど、経済効果があったみたいでござる。今年の浅草はインバウンドよりも和装姿の若い日本人が多かった感が強かったでござるよ。それでは、よいお年を。
【おまけ】
エンコ界隈の貸店舗賃料もまぁまぁ高いでござるな。