江戸の黒豹党

孤独なお爺ちゃんの寂しい日常を覚え書き程度に綴る

浅草を斬る。その③【池波正太郎を知る】

前回のブログ記事で拙者の拙い時代劇遍歴について触れておいたのは今回の記事のためで、浅草で時代劇と云えば浅香光代師匠のチラリズム女剣劇ではなく、まずは浅草生まれの時代小説・歴史小説作家である池波正太郎先生でしょう。とはいえ、拙は実際に池波先生の小説を読んでいるわけではなく、テレビ時代劇鬼平犯科帳剣客商売などの原作者としてお名前を知っていたレベルで、時代劇初心者なりに池波先生のことをこれから知っていこうと思った次第であります。なにしろ、拙宅にてグーグルMAPで「池波正太郎」と軽い気持ちでワード検索しただけで池波正太郎記念文庫」池波正太郎生誕地碑」が近隣スポットとしてヒットするほど近場に住んでるので見に行かないわけにはいかないでしょう。いわゆる「ブログネタに行ってきました!」というブログ効果です(人を動かす原動力)。ちなみに「浅香光代師匠の女剣劇」については、現在勉強中の浅草六区の歴史についての考えがまとまったらブログで記事にしたいと思っております。浅香光代さんは現在も、時代劇復興を夢見て活動されている俳優養成所「日本時代劇研究所」(ここの前をよく通ってます)の顧問をしてらっしゃるそうで拙も大変興味があります。

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かっぱ橋商店街の以北にある池波正太郎記念文庫

さて、池波正太郎先生の話題に戻りますが、まずは池波正太郎記念文庫についてです。浅草六区からほど近いかっぱ橋道具商店街の最北端に位置する台東区営「生涯学習センター」という施設の1階と2階が主に「台東区立中央図書館」となっていて、図書館内1階の一角に「池波正太郎記念文庫」があります拙宅からもそこそこ近い区営の大型図書館として、いつかは利用しようと思っていましたが、実は今回初めて中に入りました。すぐ隣のバーミヤン浅草かっぱ橋は何度か利用してますが(どうでもいい)。池波正太郎記念文庫は台東区民じゃなくても、どなたも無料でご入場いただけますがコロナ過の現在は図書館自体の入場前に氏名と連絡先の記入提示が必須となっていました。

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割と近所だけど時代劇にハマるまであまりピンときてませんでした

施設内は撮影禁止なので拙ブログでは写真なしで軽くご紹介させていただきますので、中の様子など詳しくは公式HPをご覧ください。池波正太郎記念文庫ホームページ

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現在は12/16まで「池波正太郎自筆原稿展」を期間限定展示中

池波正太郎記念文庫の主な展示物として、池波正太郎先生の生い立ち・経歴・作品発表年月が事細かに記された年譜、リアルに復元された書斎蔵書棚、万年筆などの遺愛品、ご趣味で描かれてらっしゃった自筆画、ご趣味である食・映画・芝居・旅行にまつわる著書関連文面の抜粋、先生が遺された膨大な冊数の著作書籍の現物、それとは別に『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人 藤枝梅安』といった長編シリーズの書籍年表とともに独立して展示されていて、期間限定の企画展示として「池波正太郎自筆原稿展」が開催中でした。なにしろ池波先生は多趣味で「剣と人生の達人」と呼ばれていたそうで、エッセイや随筆などの著作書籍も多く展示されており大変興味がわきます。

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公式HPから拝借画像

個人的には、入ってすぐの復元書斎年譜がグッときて「ここ、一日中居られる場所や!」と思ってしまったほど。撮影禁止なので何度も見に来たくなります。日常で池波作品を堪能しつつ、池波レベルが上がるたびに何度も来て展示物を心に刻みたいレベルの施設でした。入場無料なんてありがたや!と思っていたら図書館併設のカウンターに池波正太郎記念文庫の物販コーナーがあり、鬼平犯科帳などの池波作品や自筆画をモチーフにした絵葉書手ぬぐい扇子などのグッズを販売していました(感謝の気持ちで購入)。中でも、池波作品の舞台と池波正太郎ゆかりの地を巡る台東区とその周辺のガイドマップガイドブックのセット「池波正太郎ガイドマップ」(税込み千円)が、これからの拙にとって素晴らアイテム!ただブラブラと浅草巡りするよりも、ガイドマップがあれば池波先生の聖地巡礼という目的を持って浅草巡りを楽しむことができるでしょう。

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現代地図と江戸時代の地図が両面に載った池波正太郎ガイドマップ

いちおう台東区民なので、この機会に図書館利用カード作ってもらって浅草の歴史に関連する資料をお借りしてきました。芸能文化を中心とする浅草関連資料を閲覧できる浅草文庫コーナーなんかもあって台東区立中央図書館自体も一日中ずっと居られますね。

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池波先生について少し知ったところで池波熱が上がり、その足で浅草7丁目にある池波正太郎生誕地碑へも行って参りました。といっても拙は自転車移動なので記念文庫の西浅草から浅草7丁目へはホンの数分ですが、歩き移動だと大分距離があると思います。

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池波正太郎生誕地碑

池波正太郎先生は大正12年にこの地で誕生されたそうですが、生家は関東大震災によって焼失し、平成19年に待乳山聖天脇の台東区待乳山聖天公園に生誕地碑が建立されたそうです。ぶっちゃけ、歩き移動だと浅草駅や雷門からもそれなりに距離があるので熱烈なファンの方でもない限りわざわざ見に来なくてもいいレベルだと思いました。でも、拙が訪れた際には人力車で観光されているカップルもいらっしゃって、むしろ待乳山聖天への参拝も含めて人力車の観光ルートのひとつに向いているかもしれませんね。

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浅草公会堂前にあるスターの手形

あと、池波ガイドブックを読むまで存じませんでしたが、浅草のオレンジ通りにある浅草公会堂前に数多くの芸能人や著名人の手形彫りが展示されているのですが、その中に池波正太郎先生の手形もあるらしく帰りに見て参りました。池波先生は平成2年(1990年)の3月に急性白血病が悪化して入院され、同年5月3日に67歳で逝去されたそうですが、この手形は「H2・3」と記載されてますので平成2年3月の入院される前に遺されたと思うと大変感慨深く思いました。オレンジ通りはいつも通っているのですが、今までそんなに関心はなく早速ガイドブックが役に立ちました。ほかの手形群もよく見たらすげぇ豪華メンバー!

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池波正太郎先生の手形彫り

長くなったので今回はいったん閉めておきます。つづく