江戸の黒豹党

孤独なお爺ちゃんの寂しい日常を覚え書き程度に綴る

モータウンのドキュメンタリー映画と真夏の夜のJAZZ

有楽町の角川シネマ劇場で「メイキング・オブ・モータウン」観てきた。角川シネマって久々。JBかSLYのドキュメンタリー映画を観に行った以来かも。音楽系映画の上映に強いイメージ。ビックカメラ・ビルの8階なので、上映時間前後は充分に時間を潰せて重宝する。有楽町ビックは地下1階の調理家電コーナーが好みである(どうでもいい)。

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夕方は混むだろうから昼上映のある期間のうちに観に行ったけど、今回も「ミスターダイナマイト」や「スライ・ストーン」上映時と同様にご年配の観客が多かったが、よく見たら20代くらいの若いカップルも。コロナ禍で半分ほどの座席しか使えないとはいえ昼上映で満席になった。ワシらの世代がモータウンといえばジョニー・ギルとかブライアン・マックナイトとかシャニースとかじゃね?っていう、リアルタイムでは80~90年代モータウン世代なので初期の60年代モータウンはあまりよく知らず、マービン・ゲイとかスプリームスとかテンプテーションズとかなんて、ヒップホップやR&Bのサンプリング元ネタで知った世代。今の20代ってモータウンのどの辺に興味があったのか気になった。

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初期モータウンの在籍アーティストって我々の世代が子供のころから「伝説のモータウン名曲集」としてベスト盤が乱発されてたり、ソウルトレイン系のベスト盤とかにも収録されてたりするので、なんとなく耳にはしているけれど、好きか嫌いかでいうと、EW&Fのようにド定番過ぎて優先順位は低かった。若いころはマービン・ゲイの良さがわからなかったもんね。「WHAT'S GOING ON」なんて名曲なのはわかってるけど、あまりにもメジャーすぎて敬遠してた感ある。今は好きだけど。

 

メイキング・オブ・モータウン」本編は、レーベル創始者ベリー・ゴーディJr.と元副社長だった大御所シンガーのスモーキー・ロビンソンとの回想話を軸にして、裏方の関係各者のインタビュー証言を交えて今どきのCG編集によるスムーズな映像展開で見やすくまとめたドキュメンタリー作品。ベリーさんとスモーキーさんの掛け合いが終始愉快すぎて和む。仲良過ぎ。ていうか、ぼくスモーキーおじさん大好き。

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モータウンが映画事業に進出!」の下りでニヤッとしたけど、かの「ラストドラゴン」については触れられませんでした。そもそも、60~70年代のお話まででその時代以降のモータウン話はあまり出ませんでした。まぁ、よく知らなかった起源時代のお話が知れて勉強になりました。それはそうと、Dr.ドレはともかく、なんでジェイミー・フォックスまで出てたのか。

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むしろハーレムの将軍が主役なモータウン映画

同劇場で「メイキング・オブ・モータウン」とタイムスケジュール入れ替えで上映されてた「真夜中の夜のジャズ」4K修復版というのも観てきた。JAZZも元々好きだし、なんとなく観てみたい作品だったけど、DVDがプレミア価格だったりして今まで観る機会がなかった。この日たまたま最終日だったので、これはもう観るしかないだろう!と天の声。

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真夜中の夜のジャズ 4K

 1958年に開催された第5回ニューポートJAZZフェスティバルの映像を記録したドキュメンタリー映画で、元はインディーズ作品だったらしい。有名な写真家バート・スターン氏による監督作品。遺族である監督夫人の協力を得て国立フィルム保存委員会によって4K修復されたそうな。満席のモータウンよりも全然空いていたし、これは確かに難度が高い。上級者向け映画だと思われ。

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ニューポートJAZZフェス#5 昼の部

とはいえ、DVDソフトがプレミア価格で一般人に手が出なかろうが、庶民の娯楽である劇場映画作品なので並みの上映料金を払えば誰だって気軽に観られるのが映画館のいいところ。「真夜中の夜のジャズ」タイトルは有名だけど本編を初めて観て、原題が「Jazz On A Summer's Day」で映像は昼の部から始まったんだけど、なんで邦題では「夜」を主張してるのか? ただの野外ライブ映像ではなく、ドキュメンタリー映像なので演奏中のアーティスト以外の記録映像も盛り込まれている。序盤では海辺のヨットレースの様子や演奏中における客席の観客たちの様子なんかも映し出される。昼の部の観客たちはなんだかシラケてる感があり、セロニアス・モンクソニー・ステイットなんかの貴重なライブ演奏でありながら、観客はさほど盛り上がってるようには見えなかった。それになんだか白人が多いような。そんな感じで序盤はダレてて映画を観ているほうも少し眠くなった。

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さっちも

しかし、夜が更けてチャック・ベリーが出てる辺りからなんだか盛り上がってる感。ルイ・アームストロング御大が出るころには会場の観客も異様な盛り上がりを見せる。なるほど、確かに「真夏の夜の」だ。アツイ。夜からが本編だったらしい。サッチモとジャック・ティーガーデンとの掛け合いボーカルによる「Rockin' Chair」が特に良かった(※日本語字幕で曲名が表示される)。語彙力ないので変な言い方するけど、ハイレベルな楽器漫談としても、とても楽しめた。サッチモの声は楽器。何気にリーダーアルバム持ってないので何かしら欲しくなった。そいえばJAZZのライブも久しく観に行ってないなぁ。