浅草を斬る。その⑭【オーケー浅草店 3月オープン】
なんだか久々の更新。10月辺りからコロナ禍がゆっくりとおさまりつつあり、浅草界隈の居酒屋や飲食店も徐々に賑わいを取り戻してきている。コロナ禍のせいでいつの間にか消え去った店も少なくはないが、空いた場所に新しい店なんかも出来たりしてて、例えば雷門すぐ側の神谷バーの左隣にドラッグセイムスと100円ショップのワッツ(同ビル3階)がつい最近オープンしたりして、これまでのようなインバウンド向けな商売というよりも地元民向けな店舗の出店が増えてきているように思うでござる。そもそも、すでにエンコ界隈には薬局・ドラッグストアが多すぎのような気がするけど。
さて、今回は浅草六区界隈に久々の異変。ディスカウント系スーパーのオーケー(OK)ストアが来年の3月中旬ごろ浅草六区にオープンするらしく、どうやら出店場所はいつの間にか閉店してたパチンコ店のサンシャイン浅草店跡地のようでござる。六区ブロードウェイ商店街の最北端にある浅草ビューホテル アネックス六区からスグ北側であり、ひさご通り商店街の南側入り口や花やしきからもスグそばという地元民向け商業地域圏内の立地にOKストアが殴り込んでくる。
あの辺は近隣にライフや三瓶ストア、24時間営業の西友食品館やドン・キホーテといった食料品スーパーが集約しているゾーンであり、なんでまたそんな激戦区に出店するのか。雷門通り近辺にもスーパーオオゼキやロジャース、まいばすけっと(イオン)などのスーパーがある。
スタッフ募集チラシを見るかぎりオーケー浅草店(仮称)はオーソドックスな食料品スーパーのようだけど、同業他社との差別化としてディスカウントスーパーとしての本領を発揮してくれると嬉しい。浅草近郊のオーケーストアは東浅草向こうの隅田川沿いにオーケー橋場店があるが、浅草六区辺りの生活圏としてはちょっと遠く、業務スーパー浅草店もビミョーに遠いので、ディスカウント具合によってオーケー浅草店は地元民に重宝する存在になるかもしれないでござるね。しかし、サンシャイン跡地のテナントが決まり、拙者的には浅草六区に映画館が復活するかもしれないという可能性の希望がまたひとつ消えたでござるよ。トホホ[おわり]
【おまけ】
浅草寺の門前町界隈で唯一クリスマスムードある浅草ROX前の巨大クリスマスツリーが今年も設置。去年はコロナ禍で自粛気味となり寂しかったオレンジ通りのイルミネーションも今年は賑やかに復活!浅草公会堂の大規模改修工事もあらかた終わったようでござるね。
浅草を斬る。その⑬【六区で鬼滅の刃イベント開催】
いつも通り浅草六区を行き来していると、今日から六区ブロードウェイ商店街通り沿いのあちこちに白い箱状の物体が設置されていた。表面には「浅草六区」及び「WELCOME TO ROKKU BROADWAY」と書かれており、側面には「広告募集中」と記載。そろそろオリンピック時期だし夏休みシーズン合わせで商店街をデコレーションしたのかと思った。
まるごと日本ユニクロの脇道を通ると、浅草では違和感のあるアニメのキャラクターが描かれた大きな立て看板が今日から設置され、アニメに疎い拙者でも『鬼滅の刃』だとすぐにわかった。どうやら浅草界隈で大々的に鬼滅関連のイベントをするみたいで、イベント集客を見込んでブロードウェイ商店街中に広告(募集中)看板を設置したようでござるな。
以前より当ブログの「浅草を斬る。」項目でもお伝えしてきた通り、コロナ禍の浅草界隈はインバウンドが壊滅的に激減した代わりに鬼滅の刃ブーム効果で去年から和装姿の若い日本人観光客が増えた。拙者でさえ「せっかくだから版元に許諾を取って浅草界隈で公式に鬼滅の刃イベントでもすればいいのに」と思っていたぐらいで、まだコロナ禍だから難しいのかなとも思っていたが、ちゃんと水面下で企画が進んでいたようでござるな。
去年から、登場キャラクターのコスプレをした鬼滅ファンがレトロな映え撮影スポットにと、まず目を付けたのが奥山お参りまち通りにある木馬館。やはり、木馬館前でも鬼滅イベントの告知が掲示されていたでござるよ。
奥山お参りまち通りすぐ隣の浅草西参道商店街も鬼滅ファンの映えスポットとして人気が高く、ここではなんと街中ののぼりがすべて鬼滅イベントの告知のぼりになっていた。各のぼりには登場キャラの名前とイラストが描かれたており、公式の本領発揮を見たでござる。鬼滅をよく知らない拙者なんかでも去年からこうなればいいのにと思い付いてたぐらいだから、浅草を訪れる当の鬼滅ファンにとっては前々から夢見ていたことだと思う。
そして当のイベント会場はというと、浅草ビューホテル・アネックス六区の一階。完成後にコロナ禍となってしまい、ずっとオープン時期を見合わせていたあのホテルが遂に長い沈黙を破って一般に御披露目されるのでござる。これまで囲ってあった囲いも取り外され、ブロードウェイ通り沿い側の一角でイベントの準備が着々と行われていたでござる。
イベントの開始は明後日7月16日(金)からだそうで、開催期間は9月26日(日)までの期間限定。イベント開始前なので詳細は公式HPをご覧いただくとして、旗から見た感じでは限定グッズの物販ブース、飲食コーナー、魔除けお面作り体験コーナー、くじ引きコーナー、フォトスポットなどが用意されているみたいでござるよ。
このところエンコ界隈の地元民向けのお店なんかで鬼滅商品が投げ売りされてたりしたので、そろそろブームも下火かと思っていたでござるが、またこれからテレビアニメの新しいシーズンが始まるみたいだし、何よりコロナ禍でオリンピック特需の肩透かしを食らったエンコ界隈も、この夏は鬼滅効果で多くの若者やご家族で盛り上がるのではないかと期待に胸を膨らませる吉宗であった、おわり
【イベント情報】
鬼滅の刃 浅草コラボイベント
開催期間 2021年7月16日(金)~9月26日(日)
開催時間 10:00~20:00
開催場所 浅草ビューホテル アネックス 六区 1階スペース
公式HP https://asakusa-kimetsu.com/
【おまけ】
なんかシュール
鬼滅効果で町おこしは結構でござるが、そのうちエスカレートしすぎて大洗みたいに町中アニメキャラの立て看板ばかりになるのはちょっと困る爺でござった。
浅草を斬る。その12.5【花家さん閉店】
ほぼ毎日エンコへ出掛けてるけど、田原町方面は自転車で通ったり通らなかったりするので今さら気付いたのですが、浅草近辺でも老舗の焼きそば屋・花家さんが5月30日をもって閉店されていたようで吃驚!お店の前に「76年間ありがとうございました」と大きく書かれた閉店告知が貼られていました。
拙者は元々焼きそばが大好きで、焼きそばに関する話題にはわりと敏感なほう。ひと昔前からインスタントのカップ焼きそばで「浅草焼きそば」なる商品がずっと出ていたりするけど、浅草界隈で有名な焼きそば屋さんってドコ?ってなると、大抵は浅草地下街の福ちゃんさんか田原町の花家さんが名高い。だいぶん前に、この2店を含め浅草焼きそばの銘店を探すべくあちこち食べ歩いたことがあったけど、ぶっちゃけ関西風焼きそばと比べるとどこもチープな焼きそばが殆どで、基本的に肉類が入っていないお店が多かった。豚肉の代わりに魚肉ソーセージやハムを使っているお店もあった。いろいろ食べ歩いて気付いたことは、福ちゃんさんのように浅草界隈の居酒屋には一品料理メニューとして大抵焼きそばがあるという。もんじゃ焼きやお好み焼きの鉄板焼メインのお店だと豚玉なりのメニューがあるので少なからず肉が入っているけど、居酒屋メニュー系の焼きそばには肉が入っていない率が高い。そして、これが下町の味、浅草焼きそば本来のスタイルなのではないかと。
花家さんは長い年月の間、営業されていたので浅草観光スポットのレトロ感ある老舗のお店として有名だったと思うけど、グルメサイトなどネットの食レポを読むとあまり評判が良くなかったりした。それもそのはず、かのチープな肉なし焼きそばの代名詞のような焼きそばだったので、浅草の有名店だと思ってあまり期待しすぎるとガッカリする。しかも、お店の大将のオヤジさんも女将さんもネイティブの江戸っ子気質なので多少は口が荒く、勝手に店内を撮影する若い客がうるさく言われるのも無理がない。チープさを含め元来、東京の下町とはそういうものだと納得して楽しむのが正解なお店だったと思う。今どきの浅草の有名店は観光客に忖度しすぎで、その分サービス料として飲食代に乗っけてる感があるので、地元民はそういうお店は避けている。花家さんのように、少々ぶっきらぼうで味がチープでも庶民価格で長年続いていた店こそが下町庶民の店だったのではないかと思う。花家さんは1945年の創業だったそうで、閉店理由は記載されていないものの、おそらくまたコロナ禍の影響で浅草の老舗のお店をひとつ失ってしまったと思うととても切ない。
花家さんにお店のシャッターは閉じたままだけど、閉店告知の貼り紙の周りには日に日にお客さんからの感謝のメッセージが貼られていた。中には「おもしろいおばちゃんとやさしいおじちゃんがだいすきでした ごちそうさまでした」とクレヨンで書かれた4歳のチビッコからの感謝のお手紙が貼られていて涙を誘いつつホッコリする。これは拙者も似たような経験があるからよくわかるでござるが、現実社会での下町人情や人の温かみはインターネット上では伝えることができず、実際にお店などで人とふれあい、経験した者だけが感じ取ることができる。なので決してネットの評判だけが全てではないし、ネットなんかでは伝わらない下町人情が色濃く残る老舗のお店だったと思うと余計に惜しい。拙者もチープな焼きそばだとわかっていたのであまり食べに行かなかったけど、いつか浅草界隈の焼きそば文化についてお話を訊きながら食べに行きたいと思っていたので、その機会を失って残念無念。やはり、好きなお店は足しげく通って買い支えるしか。まだまだ先の見えないコロナ禍だけど、それぐらいしかできないのがもどかしいでござるなぁ。おわり
【7/17追記】
たまたま昨晩ちょうど写真を撮ったのですが、7月16日の時点で感謝のメッセージはご覧の通りかなり増えていました。でも、花家さんに何か動きがあるのか本日17日には全て剥がされていました。
浅草を斬る。その⑫【まるごとにっぽん改装オープン】
あいにくの雨日になった本日6月4日、浅草六区にある楽天地浅草ビルの商業施設フロアまるごとにっぽんが改装オープン。夕方ごろ雨が弱まったので、ちょっと冷やかしてきたでござるよ。
まずは、今回のリニューアルの要となる1~2階テナントの新生ユニクロ浅草店へ。正面玄関から入ると、検温とアルコール消毒を済ませたら順番で入場者にノベルティのユニクロ浅草ステッカーシートが配布されていた。通常は正面玄関からまるごとにっぽんへも行けるようだが、オープニング期間中は混雑を避けるためか連絡通路が遮断されていた。ユニクロ浅草の1階入ってすぐに浅草地域の企業コラボ商品が展示。実際の商品は2階に陳列販売されているようだ。そして、なぜかユニクロフラワーとして生花も販売していた。
2階の地域コラボコーナーへ。雷おこしの浅草常盤堂や浅草界隈の人力車各社、浅草うまいもの会の飲食店各店など浅草の老舗企業群をはじめ、どじょう料理の駒形どぜうやエアソール雪駄の蔵前goemonなど浅草近辺地域の企業ともコラボして、企業ロゴのはいったTシャツやトートバッグなどを販売。コラボしたアパレル企業の中には専用コーナーが設けられ、主力商品の展示販売もされていた。
ほかにも、タブレット端末を用いてTシャツにコラボ企業のロゴを自由にデザイン配置してオーダーできるコーナーも用意されていた。
2階からエスカレーターを下ると緑色のドラえもんのフォトスポットがあったり、リッチモンドホテル側の出口には同じく緑色のユニクロ装飾の人力車が設置されていたりした。
3階の飲食店フロアは7月オープンの予定。スシローと神戸ビーフ館の2店舗のみの出店で確定のようなので割りとフロア面積が広そうな感じ。
続いて、1階の新生まるごとにっぽんへ。ユニクロのある正面玄関から向かって左側に位置する。こちらでは入場時にノベルティのうちわが配布されていた。
今回のまるごとにっぽんは日本全国の特産品販売と地酒の角打ちコーナーのみに限定され、特産品コーナー部分は麺類、調味料、菓子類、乾物類、飲料、肉類、茶葉、酒類、冷蔵・冷凍食品類など地域別ではなく食品の種類で棚分けされて陳列。スペースが狭くなったので、なんだかこざっぱりして、いわゆるデパ地下の特産品コーナーみたいな感じになった。
以前のまるごとにっぽんには無かったと思われる、駅弁販売コーナーが新設。そんなに種類が無かったのだけれど、今後は色んな地域の駅弁がローテーション入れ替えで販売されるのだろうか。
今回のリニューアルの目玉となるはずだった銘酒の角打ちコーナーは予想通りコロナの影響で営業を見合せ。そぐそばに「にっぽんのおつまみ」として乾き物類が販売されていた。おわり
【おまけ】
拙者の個人的な雑感ですが、前のまるごとにっぽんもあまり需要がなく、ユニクロユーザーでもないので今回のリニューアルはあまり恩恵がない。お酒飲まないし、角打ちコーナーもいらない。とはいえ、長引くコロナ禍の中、無難なリニューアルだとは思います。跡地に映画館を建てろったってこのご時世だと無理でしょうし、以前のボーリング場のようなアミューズメント施設も難しい。インバウンドが激減している現在は地元民の需要に頼るしかなく、衣食住関連の産業ならなんとか安定した需要があるのではないかと思うし、ユニクロも浅草界隈の地元企業とコラボすることで、地域への貢献と観光客へのアピールにもなるので、まぁ、ウマイことやったなぁと感心します。あと、今日まるごとにっぽんを見て回ってて、ご年配のご婦人が冷蔵加工肉コーナーでレバーペーストという岩手の特産品を見つけるなりガバッとドカ買いされてらっしゃるのを見かけ、そんなに旨いものなのか気になったり。でも、相変わらずまるごとにっぽんは販売価格がお高かったのでやっぱり個人的には需要がありませんな。3階のスシローに期待(庶民)。
新ユニクロ浅草店は長続きするんじゃないですかね。ほかの浅草2店舗を統廃合させてユニクロさんもホンキでしょうし。
ぶっちゃけ、あたしゃ浅草にフライングタイガー・コペンハーゲンが欲しい。
浅草を斬る。その⑪【まるごとにっぽん6/4に改装オープン】
非常事態宣言が再び延長となる兆しのなか、浅草六区のまるごとにっぽんがいよいよリニューアルオープンを迎える。
まずは楽天地ビル1~2階に5月28日(金)オープンの予定だったユニクロ浅草店は、店舗外装を含め開店準備はほぼ完了のようだが直前にオープン日を6月4日(金)に延期。これまでEKIMISEとROXのテナントに入っていた浅草界隈のユニクロ2店舗は既に閉店しており、浅草らしい「和」を基調とした今回の大型店舗に集約されることになる。
同時期にオープン予定のまるごとにっぽん蔵(仮称)は、現時点でも一部が改装工事中なもののユニクロと同じく6月4日(金)オープンとの告知が掲示されていた。まるごとにっぽん物販スペースに商品が陳列されている様子は伺えるが、おそらくの地酒飲み比べ角打ちコーナーの部分が未完成のようで、非常事態宣言とは関係なく1~2階部分のオープン日を揃える為にユニクロもオープン日を延期した感じがする。
リッチモンドホテル入り口側には、楽天地ビル3階部分のテナント告知看板が掲示され、どうやらスシローと神戸ビーフ館が7月にオープンするようだ。回転寿司のスシローは近年の上野店や秋葉原店に次ぐ近隣地区の出店で、ステーキハウスの神戸ビーフ館と共に浅草地区には初出店となる。
非常事態宣言の度重なる延長でオープン時期がどうなるのかと思っていたけど、あまり影響せず当初の予定より一週間の延期のみでオープン日は確定したようだ。おわり
浅草を斬る。その⑩【まるごとにっぽん5/28リニューアル】
現在、都心は三度目の非常事態宣言につき自粛ムード…と思いきや、今年のゴールデンウィークは都内の主要スポットに人が結構多くいて、浅草もホッピー通りの飲み屋が閉まっている以外はそんなに閑散とはしていない様子。さて、六区ブロードウェイ商店街のランドマーク的スポットになるはずだった「まるごとにっぽん」跡地が2021年春リニューアルオープンということで、今週辺りから告知ポスターが掲示されるなど現地にもようやく動きが見られました。
一階と二階の大部分は大手アパレル店ユニクロの新店舗がテナント出展ということで、店先にユニクロの看板が取り付けられ、店内にはすでにマネキンや什器類などが設置されているのが外から伺えます。
店先にオープン告知ポスターも貼られ、そのデザインから浅草らしく和を基調とする店舗のようなイメージ。元々2021年春のオープン予定で、これまで現地で改装作業しているような様子もあまりなかったのですが、今週に入って急に作業が進んだ感じで、5月28日にオープン決定らしいです。
一階フロアは部分的に、元々ご当地名産品物販コーナー「まるごとにっぽん 蔵」だったのが店名「まるごとにっぽん」としてリニューアル存続する予定。新たに「角打ちコーナー」と称した日本酒・日本ワインの有料試飲コーナーが新設されるらしいです。こちらも5月28日にオープンする予定。
とりあえず浅草楽天地ビルも「まるごとにっぽん」の名称のまま継続するみたい。今はまだコロナでビジネス的に大それた改装は難しそうなので無難な展開なんでしょう。ところでEKIMISEとROXのテナントのユニクロ2店舗はどうなるんでしょうね? おわり
【おまけ】
早朝から六区ブロードウェイ通りにトラックがズラッっと並び、大量のユニクロ商品がまるごとにっぽんへ搬入される様子。
イカレた極道キャラも魅力的だった昭和の名バイプレイヤー田中邦衛さん死去
久々に驚いた訃報。俳優の田中邦衛さんが3月24日に老衰のため88歳で亡くなられたそうな。1950年代から数多くの映画やドラマにご出演されてらっしゃったので、人によって思い入れのある作品は異なると思うでござるが、拙者的には任侠映画における味のあるキャラクターを演じた個性的な役者さんというイメージが強い。拙者が子供のころだった80年代はテレビドラマ『北の国から』の黒板五郎役として名を馳せてらっしゃって、テレビでよく芸人にモノマネされたりして当時はあまり好きではなかったでござるが、大人になってDVDなどで60~70年代任侠映画を好んで観るようになってからは、例えば『人斬り与太 狂犬三兄弟』(1972年)のチンピラ舎弟・大野正吉役など、カタギの黒板五郎のクリーンなイメージとはガラッと異なるダークでイカレた極道キャラを演じる田中邦衛さんにシビレた。いわゆる任侠映画におけるダークサイドの田中邦衛さん(闇邦衛)が好きでござった。
田中邦衛さんの出演作をそんなに多くは観ていないので、今でもDVDで昔の映画を観ていて田中邦衛さんが出てらっしゃるとニヤッとする。役柄がイカレていればいるほどニヤニヤしてしまう俳優さんでござった。また、1974年の実写版『ルパン三世 念力珍作戦』では次元大介の役も演じられており、キャラクター的にイカレ度は低いものの、かの有名マンガ/アニメキャラを田中邦衛さんが演じた違和感という点で拙者的に印象深い。
イカレたダークサイド邦衛キャラで特に好きなのは任侠野球映画『ダイナマイトどんどん』での敵軍の助っ人ピッチャー芦刈の作蔵でござるな。野球の試合中、菅原文太さん演じる加助がバッターの際に作蔵が暴投を繰り返しナメてる挑発顔が最高。でも、作蔵は敏腕だけど酒好きの吞兵衛で、加助に騙されて試合中に給水ヤカンに入った酒をあおりベロベロになってしまう様もまた最高なのでござった。
ダークサイド邦衛ではないけど、時代劇に出てくる田中邦衛さんも好き。現在BS11で月曜~金曜日に放映中の『同心部屋御用帳 江戸の旋風』(1975年)でも由良三九郎役で出演されていて、当時観たことのない作品だったのでここ最近は連日興味深く愉しんでいるところでござるよ。田中邦衛さんは個性的なお顔なので時代劇の丁まげスタイルも愉快。やはり昔の時代劇でも田中邦衛さんが出てくるとニヤニヤしてしまうでござる。
拙者は田中邦衛さんの魅力に気付いたのが遅かったほうだと思うけど、これからも昔の映画や時代劇なんかを観ていくので、味のある名脇役としての田中邦衛さんを讃えていきたいと思うでござる。長い役者人生お疲れさまでした、ご冥福をお祈りします。おわり